マンション大好き

区分所有法第59条競売とADR

ベルリンの壁

管理組合が特別決議で可決した「高圧一括受電」方式の採用に対し、一人の区分所有者が申込書の提出を拒否したため、管理組合が、「共同の利益に反する行為」として区分所有法第59条に基づく競売と損害賠償を求めた裁判の判決が平成21年11月29日横浜地裁にてあった。

この裁判で裁判官は、この区分所有者のこれまでの管理組合運営に対する非協力的な態度や、申込書を提出しないことで他の区分所有者が受ける不利益等を総合的に勘案し、「共同の利益に反する行為」だと認定したうえで、「競売以外の方法では障害を除去することは困難」として、区分所有法第59条の競売を認めた判決を出した。

この区分所有者は今まで、テレビ端子の交換のための住居立ち入りを拒否し、雑排水管改修の際には工事に反対しこれも立ち入りを認めず、これに対しては管理組合が工事を妨害しないように提訴したこともあるとのこと。さらにそれ以後も管理組合が実施した工事に対し、住戸に立ち入る必要のある工事については一切立ち入りをを認めないなど、マンションの維持管理に対し管理組合にとっては困った存在になっていたようだ。

が、59条競売というのは、これが認められると管理組合はその住戸の競売を申し立てることができるという、その人の私有財産であるマンションの所有権を奪ってしまうことになる、大変な請求だ。

こんな人はよく、といってはよくないかもしれないが、管理組合には「よく」いらっしゃる。

この人さえいなければと思うときもあるかもしれないが、やはりいろんな人がいての「マンション」ではないだろうか。

この判決を見て思い出すのが、ADRだ。こんな問題を解決するために一番効果があるのがADRだと思う。

ADRは裁判でもなく、調停でもなく、トラブルになった当事者同士が納得して折り合い点を見つけて、解決していく制度である。
ADRに勝ち負けはない。

ADR調停員は、両者の主張をよく聞き取り、両者の納得点を探す作業を行う。

この横浜判決も裁判ではなく、すぐれた調停員がかかわるADRで解決できたら、違った結果になったかもしれない。

この区分所有者も含めてこのマンションには素晴らしいコミュニティが生まれたかもしれない。

金銭問題や法律論争、建物の瑕疵問題は、通常訴訟ではっきり結論を付けたほうが両者納得でき、その後もスムーズに進むかもしれないが、判例にいう「建設的な議論を通じて問題解決に取り組む姿勢が見られず、自己の見解に固執し、他の住民と協力して住環境の保全と向上を図ることには目を向けないという態度が顕著」な方と、管理組合との関係はぜひ、ADRで、と思う。
(ADRに心当たりがない場合は、お近くの優秀なマンション管理士へ!)

投稿日 2011年2月22日(火) PM 7:07

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